top of page
全国日本春蘭連合会
昭和44年度登録品
赤城山 Akagiyama昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 群馬県 形態 / 光沢のある中葉性、中垂れの濃緑地で葉緑のギザも多く、厚肉で・幅広である。出芽は当初、黄緑色に出て、生長するにつれて葉面に虎斑が現れる。極めて濃い黄色の鮮明な切り虎斑で、葉面に段切り状に入り、暗まない。 特色 / 丈夫で繁殖力が強い。葉は濃緑色で、同一場所で発見された『赤城の花』より葉艶もある。斑柄が出やすく、日照りが強すぎると葉面に汚れが出て、茶褐色の渋状になる。葉姿と鮮明な斑柄との調和にすぐれ、古い品種ではあるが広い人気がある。 | 安積猛虎 Aasakamouko昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 福島県 形態 / 厚肉・幅広の緑地で大葉性、中垂れである。出芽は黄緑色で、生長の過程で葉面に虎斑が現れる。極めて濃い黄色の虎斑を葉面に散らし、切り虎斑と散り虎斑を交える。 特色 / 丈夫で繁殖力が強く、雄大な葉姿は重量観にあふれる。葉先に丸みのあるのが特徴で、一般に虎斑は鮮明に出にくいが、本種は斑柄が出すぎるくらいによく出る。古い品種ではあるが、培養しやすく、斑柄と葉姿全体の調和がすぐれているので愛好者が多い。 | 磯千鳥 Isochidori昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 蛇皮斑 登録者 / 産地 / 千葉県 形態 / 黄緑地で、やや葉肉の薄い、中葉性の中垂れである。出芽は淡い黄緑色に出て、生長するにつれて葉面に白黄色の蛇皮斑を現す。蛇皮斑としては斑柄が細かく、黄白色の地に蛇皮斑が散在し、切り斑模様の虎斑を交える。斑柄は天冴え性のため、当初から鮮明で暗まない。 特色 / 丈夫で繁殖力も強い。葉姿が整然としていて斑柄がでやすく、美的要素が多いため、古い品種ではあるが人気がある。 |
---|---|---|
宇宙殿 Uchuuden昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 縞斑 登録者 / 産地 / 形態 / 濃緑地で、大葉性の中垂れである。厚肉・幅広の葉面に白黄色の縞斑を鮮明に現す。出芽は淡黄色であるが、次第に緑色を増す。中透け縞斑で、天冴え性のため出芽の当初から斑柄が出て、生長するにつれて斑柄は白黄色になる。 特色 / 古い品種ではあるが、濃緑地に鮮明な白黄色の斑柄とのバランスが良い。葉先に燕尾が現れることがあり、葉面に艶がある。昭和三十五年頃、四国で発見されたといわれているが、詳細は不明である。 | 越後錦 Echigonishiki昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 縞斑 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 濃緑地で、大葉性の中垂れである。特に葉面の緑が濃くて艶があり、厚肉・幅広のため雄大観にあふれる。葉緑のギザは比較的細かい。出芽は当初、紫紅色を交えて出て、生長するにつれ緑色を増し、葉面に白黄色の中押し縞斑を鮮明に示す。斑柄は天冴え性ではあるが、当初は黄白色に出て次第に鮮明になる。葉面の濃緑色と白黄色の斑柄とのバランスが良い。 特色 / 丈夫で繁殖力は旺盛である。古い歴史を有する品種ではあるが、肥料に対しては敏感である。肥料過多の場合は斑柄も不安定である。 | 王将の花 Ousyounohana昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 緑地に黄色の大切り虎斑で、大葉性の中立ちである。出芽は黄緑色に出るが、生長につれて緑色を現す。斑柄は、やや派手気味の大切り虎斑で、日照りが強いと白黄色になるが、大切り虎斑になりやすく、斑柄の冴えにやや難点がある。 特色 / 丈夫で培養しやすい品種である。葉姿が中立ちのうえ、葉面の地合いが緑色のため、黄色の虎斑がやや不鮮明である。古くからの品種で広く愛好されてる。 |
甲斐の花 Kainohana昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 山梨県 形態 / 平葉に近い大葉性の濃緑地で、厚肉の中垂れである。出芽は濃緑色に出て、生長するにつれて葉面に図虎斑を現す。極めて濃い黄色で鮮明な図虎斑であるが、新芽の過程では斑柄が淡く、葉面全体に大切り斑や網目状の斑などを交えて出るが、生長すると図虎斑となる。 特色 / 特に厚肉の濃緑地で均等のとれた葉姿に、調和の良い極黄色の独特の図虎斑を鮮明に現す。虎斑系の中でも格調が高く人気もある。斑柄そのものは『越後の花』に似ているが、葉面の地合い、斑色、葉幅などから当然単独に評価されるものである。古い品種ではあるが意外と篠数が少ない。 | 鶴昇 Syoukaku昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 山形県 形態 / 中葉性の中立ちで、濃緑色の地に斑切れの良い極黄虎斑を現す。樋が深くやや細葉である。出芽は黄緑色に出て、次第に緑色を増し、葉面に虎斑を交える。極めて濃い黄色の切り虎斑で、絣虎斑などを交えて、長く短くさまざまの態様の斑柄を示す。虎斑系の中でも格別な味がある。 特色 / 整然とした葉姿に加え、濃緑色の葉面に現れる斑柄は鮮明で冴えがあり、特別な魅力がある。本種は、当初、『日出の花』と命名されていたが、昭和四十四年に改名、登録されたものである。丈夫で繁殖力が強く、人気の高い虎斑物の代表品種である。 | 春日 Kasuga昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 覆輪斑 登録者 / 産地 / 形態 / 特色 / |
春日山 Kasugayama昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 葉肉はやや薄く、葉先が鋭くとがり、緑地である。中葉性の中立ちで、葉面に切り虎斑を示す。出芽は紫紅色をかけて出て、生長の過程でこれが消え、葉面に虎斑を現す。極めて鮮明な黄色の切り虎斑で、葉面にほどよく散在する。 特色 / 丈夫で繁殖力が強く、立ち葉性の立ち葉性の虎斑の代表品種の一つである。特色としては、葉面の地合いが緑色のため斑柄が引き立たず、いくぶん斑柄の出にくい点もある。古い品種ではあるが、斑柄に人気があるので一般に人気は高い。 | 加茂日進 Kamonissin昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 覆輪斑・覆輪花 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 濃緑地の大葉性の中立ちで、葉身中央部の幅が広く、厚肉で葉脈が太い。出芽は袴に紫紅色を交えて出て、生長の過程で緑地を増し、葉緑に鮮明な極黄色の覆輪斑を現す。水仙弁で平肩咲きの乳白色覆輪花であり、各弁の覆輪斑が深い。葉先・葉緑の黄色覆輪斑は鮮明で深い。葉先に刷毛込も斑も交える。 特色 / 葉面に艶があり、濃緑地の地合いが良く、黄色覆輪斑とよく順応し、葉茎の良く伸びる葉容とのバランスが良い。古い品種ではあるが、丈夫で愛好者が多い。 | 喜生殿 Kiseiden昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 縞斑・縞花 登録者 / 産地 / 茨城県 形態 / 濃緑地で光沢のある葉面に、白黄色の縞斑を現す。出芽は天冴えの黄白色に出て、生長の過程で緑地を増し、同時に中透け縞斑を示す。各弁ともに厚肉の長円弁の平肩咲きである。棒心の抱えも良く、花容も良い。本来は中透け縞斑であるが、本種は規則正しい千筋縞斑をも交える。 特色 / 縞柄はかなり鮮明であり暗まない。特色としては、葉元から葉先にかけての葉身の中央部の幅が広いことである。不思議なことに、古い品種ではありながら意外と篠数が少ない。 |
玉殿の松 Gyokudennomatsu昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 縞斑 登録者 / 産地 / 山形県 形態 / 中葉性の中垂れで、葉肉が厚く、葉幅はかなり広い。濃緑地の地合いに、白黄色の中透け縞斑を鮮明に現し、松葉状の細かい散り斑縞を混入することもある。出芽は黄緑色に紅色を交えて出て、生長過程で葉面に縞斑が現れる。後冴え性の、白黄色の中透け縞斑である。やや斑柄が不安定であるが、本芸を示すと素晴らしく鮮明になる。 特色 / 丈夫で繁殖力が旺盛のため人気があり、かなり広範囲に栽培されている。特徴として葉地合いが濃緑地で、葉緑のギザは細かくて多く、葉幅がある。また、肥培管理の良否によって斑柄が不安定になり、重なり葉なども交える。 | 旭晃 Kyokkou昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 縞斑 登録者 / 産地 / 形態 / 特色 / | 麒麟山 Kirinzan昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 厚肉で葉面に光沢があり、葉緑のギザが細かい、大葉性の中立ちである。出芽は黄緑色に出て、生長するにつれて緑色を増しながら切り虎斑を現す。葉面の斑柄は当初は渋く、網地を交えて出るが、生長につれて安定し、極めて濃い黄色の切り虎斑と網地模様になる。緑色部分との区別が鮮明で、とくに斑切れの良い品種のひとつである。 特色 / 葉姿全体に力強さを感じさせる品種で、特に光沢のある緑色の地合いが良い。切り虎斑に網地模様の斑柄の二芸を現し、葉姿との調和が良い。丈夫で繁殖力も旺盛である。なお、本種から芽変わりした品種『麒麟冠』がある。 |
錦麒麟 Kinkirin昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 茨城県 形態 / 大葉性、中立ちの厚肉で、濃緑地に極めて濃い黄色の虎斑を散らす。葉縁のギザが細かくて、葉面に光沢がある。葉幅が広く、葉先に丸みがあり、樋が深い。出芽は黄緑色に出る。鮮明な極黄色の切り虎斑で、特に葉縁にかかる斑柄が冴える。新芽の成長とともに固定するが、後々まで暗むことがない。 特色 / 葉面の日が深くて光沢があり、斑柄が鮮明で濃緑地の地合いとの調和が特に良い。気品にあふれる葉姿は『守門山』『輪波の花』ととも虎斑系の最高峰的存在であり、高く評価される。丈夫で繁殖力も旺盛である。 | 銀司晃 Ginshikou昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 縞斑 登録者 / 産地 / 長野県 形態 / 緑地で厚肉、大葉性の中立ちである。葉脈が太く葉縁のギザが粗い。出芽は黄白色に出て、葉面に天冴えの中透け縞斑を現す。白黄色の中透け縞斑であるが、固定するとやや黄色を増し、葉面に松葉斑などを交えることがある。 特色 / 葉面の樋が深く大葉性で、いくぶん斑柄が不安定の傾向がある。肥料を抑え気味にして、日照りを強く採ると全体的な葉姿も安定し、雄大観のある素晴らしい葉芸を見せる。古い品種ではあるが、丈夫で繁殖力も旺盛なため根強い人気がある。 | 軍旗 Gunki昭和44年度登録 品名 / 中国春蘭(柄物) 縞斑 登録者 / 産地 / 中国 形態 / 濃緑地で厚肉・幅広の、大葉性の中垂れである。葉脈がしっかりしていて、葉縁のギザも多い。出芽は当初、紫紅色を交えて出て、生長につれて乳白色の縞斑と葉縁の緑が判然となる。乳白色の鮮明な中透け縞斑で、固定してからは暗まない。葉が濃緑地であるため、より冴えて見える。 特色 / 丈夫で繁殖力が旺盛である。葉身の先端部が上方に返り露受け葉となる。斑柄は葉面の全体に、天冴えで中透け状に入る。本種は、昭和三年頃に中国から我が国に持ち込まれたものといわれ、古い品種ではあるが人気が高い。芽変わり品種に『天山』の仮名がある。 |
月桂冠 Gekkeikan昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 覆輪斑・覆輪花 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 厚肉・幅広の濃緑地、中葉性の中垂れである。出芽は黄白色に紫紅色の筋をかけて出て、生長するにつれて葉緑の覆輪斑が鮮明となり、地の緑色を増して、斑柄が幅広となる。各弁ともに厚肉、長円弁の平肩咲きで、弁緑に乳白色の深い覆輪をかけ、特に弁先に深くかかる。葉茎は黄緑色で、筋の部分に紅色を散らす。棒心はやや開く。葉面の地が濃緑色のため、特に葉緑の白覆輪斑が鮮明になり、花弁の覆輪も深く判然としている。 特色 / 古い品種で、第一号の品種が枯死したために継承されたものである。 | 乾徳山 Kentokuzan昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 山梨県 形態 / 肉厚で、葉脈も太い濃緑地の、中葉性の中立ちである。葉面の樋も深く、葉先は鋭くとがっている。出芽は黄緑色で、生長過程で葉面に極めて濃い黄色の切り斑虎や図虎斑を現す。虎斑系の中でも珍しい形状の斑柄で、初葉と止め葉には図虎斑が多く、全体には葉面の中央部や葉縁に切り虎斑がより多く現れる。斑色は極黄色であり、緑点も交える。 特色 / 繁殖力が旺盛で丈夫ではあるが、古い品種にかかわらず意外と篠数が少ない。濃緑地で中立ち性の葉姿と、斑柄の調和が美しく優雅である。葉幅がやや細いにもかかわらず雄大観がある。 | 皇輝 Kouki昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 覆輪縞斑・覆輪花 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 濃緑地で厚肉だが、やや平葉性。葉縁のギザが細かくて多く、葉面及び葉縁に縞斑と覆輪斑が現れる。出芽は黄白色に出て、生長の過程で天冴えの縞斑及び覆輪斑を現す。花は各弁ともの厚肉、水仙弁の覆輪花で、やや肩落咲き。花茎は淡い緑色。柄は黄白色の縞斑ならびに覆輪斑で鮮明。生長しても暗まない。 特色 / 丈夫で繁殖力も旺盛だが、肥料に弱い。古い品種だが、覆輪斑と縞斑が判然と入る2芸品種は数少なく、『不二冠』などとともに貴希品となっている。 |
高玉冠 Kougyokukan昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 覆輪斑 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 緑地で厚肉、大葉性の中垂れ。葉縁のギザが粗く、葉幅が特に広い。出芽は黄緑色に出るが、生長するにつれて緑色を増し、葉縁に覆輪斑を現す。柄は黄色の覆輪斑で、葉縁に深く鮮明に入り、生長しても暗まない。 特色 / 古い品種だが雄大で、覆輪斑が深く鮮明であるため見栄えがする。丈夫で繁殖力は強い。 | 国王殿 Kokuouden昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 縞斑 登録者 / 産地 / 群馬県 形態 / 厚肉の濃緑色で、葉面に特異な艶のある大葉性、中垂れである。葉姿全体が優雅で、白黄色の中押し縞斑である。出芽は天冴えで白黄色に出るが、当初、袴の部分に桃紅色を増し、同時に縞斑が現れる。白黄色の鮮明な中押し縞斑で、後々まで暗まない。 特色 / 葉面に特に艶があり、葉緑および葉先の緑覆輪が深く、白黄色の斑柄を一段と引き立てる。斑柄は葉姿との調和にすぐれ、魅力的な個性がある。丈夫で繁殖力が強く、肥料にやや敏感である。 | 国宝 Kokuhou昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 縞斑 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 厚肉・幅広の濃緑地で、ギザがやや粗い。大葉性の中垂れで、葉面には白黄色の斑柄を中押し状に鮮明に出す。出芽は桃紅色をかけて出て、生長するにつれて消え、葉緑および葉先に濃緑地を残して縞斑が現れる。葉元から葉先にかけて、中押し状の白黄色の斑柄が鮮明に現れる。また、ある時は白黄色で筋状の斑柄を交えることもある。 特色 / 縞斑柄と葉姿との調和が良く、魅力のあふれる。特色としては、葉緑のギザが比較的粗く、苗木でも葉繰りが多いことがある。古い品種ではあるが、縞斑系の中でも評価が高い。 |
越路の花 Koshijinohana昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 茨城県 形態 / 中葉性の中垂れ葉で、葉幅が細く、葉先が鋭くとがっている。葉の樋は比較的深く、葉面に極黄色の鮮やかな図虎斑を現す。出芽は黄緑色に出て、やがて斑を現す。斑柄は極めて濃い黄色で、網地をかけた図虎斑と大切り虎斑とが交じる。斑柄はやや『甲斐の華』に似ているが、大切り虎斑が多く派手柄である。 特色 / 丈夫で繁殖力の強い点が特色で、古い品種ではあるが、以外と篠数が少ない。彩光をいくぶん抑えて作ると、葉芸の現れ方が素晴らしく、葉姿全体に気品がある。 | 越の山吹 Koshinoyamabuki昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 茨城県 形態 / 中葉性の中垂れ葉で、葉幅が細く、葉先が鋭くとがっている。葉の樋は比較的深く、葉面に極黄色の鮮やかな図虎斑を現す。出芽は黄緑色に出て、やがて斑を現す。斑柄は極めて濃い黄色で、網地をかけた図虎斑と大切り虎斑とが交じる。斑柄はやや『甲斐の華』に似ているが、大切り虎斑が多く派手柄である。 特色 / 丈夫で繁殖力の強い点が特色で、古い品種ではあるが、以外と篠数が少ない。彩光をいくぶん抑えて作ると、葉芸の現れ方が素晴らしく、葉姿全体に気品がある。 | 金剛山 Kongouzan昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 濃緑地で、大葉性の中立ち。葉肉も厚く、極黄色の切り虎斑に緑点を交える姿は雄大感がある。やや後冴え性で、黄色は次第に冴えてくる。出芽は黄緑色に出て、生長の過程で緑色が増すとともに、切り虎斑が現れる。柄は極黄色の切り虎斑や図虎斑、大切り虎斑などで、やや後冴えのため盛夏から秋口にかけて鮮明になる。 特色 / 古い品種で、『守門山』に似ているが、切り虎斑と図虎斑が多く、斑柄が固定して2年目になると極黄色に変化する。丈夫で繁殖力旺盛。 |
四国錦 Shikokunishiki昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 覆輪斑 登録者 / 産地 / 愛媛県 形態 / 厚肉・幅広の大葉性で、後冴え性の大覆輪斑を葉緑にかけ、葉先の刷毛込みも深い。出芽は緑色に出て、生長後に黄色の覆輪斑が入る。覆輪斑は太く鮮明にかかるが、残念ながら後冴え性であり、葉先にも深い覆輪斑や刷毛込み斑を示す。 特色 / 古い品種であり、本種の芽変わりとして覆輪縞斑の『天朝冠』などがある。覆輪斑の人気が高い頃には数多く見かけたが、最近では篠数が少ない。斑柄が後冴えであることが惜しまれるが、葉姿全体に雄大観がある。 | 信濃清月 Shinanoseigetsu昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 登録者 / 産地 / 形態 / 特色 / | 菖城の花 Syoujyounohana昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 大葉性の中垂れで、緑地に切り虎斑を散らすが、斑柄が流れやや不安定である。葉肉も厚く幅広で、葉面の樋も深い。出芽は黄緑色に出て、生長の過程で斑柄を現す。極黄色の切り虎斑や大切り虎斑を葉面に散らすが、これらの斑柄が流れ気味の派手柄になる。特に葉先の部分が大切り斑になる。 特色 / 丈夫で繁殖力が強い。斑柄は後冴えで出やすいが、斑切れが悪く、葉面全体が派手気味になる。特色としては葉繰りがやや悪く、よれ葉や巻き葉を交える。斑柄が容易に出るので、広く愛倍されている。 |
秋月 Syuugetsu昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 覆輪斑 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 乳白覆輪。緑地に乳白の浅い覆輪をかける。中葉性の中立葉。濃緑地で厚肉。出芽は淡緑。 特色 / 『日晃殿』に葉姿は似る。現在あまり流通していない。 | 信濃の花 Shinanonohana昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 長野県 形態 / 緑地で、中葉性の中垂れである。濃い黄色の虎斑を現し、その中に緑点を彩る。葉肉もあり、細かいが葉緑のギザが多く、葉姿が整然としている。出芽は黄緑色で、生長の過程で虎斑が出る。明るい黄金色の虎斑を切り斑状に葉面に現し、草勢が良いと斑の中に緑色の斑点を交える。 特色 / 丈夫で繁殖力が強く、現存する虎斑の中では最も古い品種である。斑柄に気品があり、葉姿とよく調和して優雅である。虎斑が出やすく、培養が容易なことから広く一般に人気がある。 | 春王殿 Syunouden昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 縞斑 登録者 / 産地 / 埼玉県 形態 / 中葉性の中垂れ。濃緑地に白黄色の縞斑が葉面に鮮明に入る。出芽は黄緑色だが、紫紅色を交えて出て、生長するにつれて消え、葉縁と葉先に濃緑色を残し、白黄色の縞斑が中押し状に入る。柄は当初乳白色に出るが、固定すると白黄色の中押し縞斑になる。 特色 / 斑柄が鮮明で葉面の緑色とよく調和する。これに良く似た品種に『国王殿』があるが、本種は葉肉が薄く、葉幅もやや狭く、葉面に艶がない。葉縁のギザも多くて細かい。白黄色の縞斑が美しい。 |
昇天 Syouten昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 蛇皮斑 登録者 / 産地 / 埼玉県 形態 / 大葉性で、厚肉・幅広の中立ちであり、緑地に極黄色の蛇皮斑を現す。出芽は黄緑色に出て、生長するにつれ葉面に蛇皮斑が現れる。斑の中に混じる緑色の斑点が大きく粗い。独特の形態を示す、かなり鮮明な極黄色の斑柄であるが、後暗みである。 特色 / 中立ち性で雄大観にあふれる葉姿であるが、鮮明に出た斑柄が固定せず約一年で暗む。新芽の成長過程で葉面に現れる斑柄が極黄色であり、鮮明な緑色の斑点を交える美しいものだけに惜しまれる。 | 白瀧 Shirataki昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 登録者 / 産地 / 形態 / 特色 / | 守門山 Sumonzan昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 濃い緑地で、幅広・厚肉の大葉性、中立ちである。葉姿全体が力強く、葉面に極黄色の切り虎斑と大切り虎斑を示す。出芽は淡い紫紅色を交えて出て、生長するにつれて後冴えの斑柄が出る。鮮明度が高く、黄金色の極黄の色彩で、切り虎斑などを含み、緑色の地合いとよく調和する。 特色 / 斑柄・葉姿ともに、堂々たる王者の風格を備えた貴希品であり、特に鮮明な斑柄は暗まない。丈夫で繁殖力が強く、古い品種ではあるが、虎斑系の最高峰として評価が高い。 |
末広 Suehiro昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 縞斑・縞花 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 緑地で葉肉がやや薄い、大葉性の中立ち大葉性の中立ちである。葉緑のギザが多く、やや平葉性であり、葉面に縞斑を示す。出芽は淡い緑地で、生長の過程で葉面に白黄色の縞斑が現れる。水仙弁の中透け縞花で、弁肉がやや薄く、開花時に棒心が開く。葉面の斑柄は不安定ではあるが、白黄色の縞斑が鮮明で気品がある。 特色 / 葉肉がやや薄く葉身の中央部から先端にかけて、葉がよれたり巻いたりする性質はあるが肥料をいくぶん抑えて作ると斑柄は鮮明になる。古い品種ではあるが丈夫である。 | 静観 Seikan昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 福島県 形態 / 濃緑地に厚肉の中垂れで、極黄色の切り虎斑や図虎斑を葉面に散らす。出芽は黄緑色に出て、生長の過程で葉面に斑柄が現れるが、斑柄が出にくい傾向がある。極めて濃い黄色の色彩で、葉元から葉先まで切り虎斑、大切り虎斑、図虎斑を現すなど多彩であり、葉緑の覆輪などを残す。 特色 / 本芸を示すと極黄色の切り斑などが鮮明で、素晴らしい葉芸になるが、斑柄が出にくい傾向がある。本芸を現すには、新芽の成長が終わってからでは遅く、早めの彩光が必要である。丈夫で繁殖力が強く、鮮明な斑柄が人気がある。 | 青玉殿 Seigyokuden昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 散斑縞斑・縞花 登録者 / 産地 / 長野県 形態 / 緑地で厚肉の、やや葉幅の狭い中葉性の中垂れ。出芽は黄緑色に出て、生長の過程で葉面に乳白色の中透け縞斑と散り斑縞斑を示すが、生長すると暗み、葉先の部分にわずかに散り斑縞斑が残る。花は各弁ともに乳白色の縞斑の入る中輪で、水仙弁の平肩咲き。葉面の斑柄は天冴えの後暗みで、葉身の先端部にのみ散り斑縞斑をわずかに残すが、花は中透け縞斑。 特色 / 丈夫で花付きも良い。中輪咲きの縞花であるので、気品がある。斑柄は肥料を抑え気味にするとかなり鮮明に残る。 |
聖晃 Seikou昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 覆輪斑・覆輪花 登録者 / 産地 / 福井県 形態 / 濃緑地の厚肉で、葉面に光沢のある中葉性の中立ちである。出芽は黄白色の出るが、生長するにつれて緑地を増し、葉緑に白黄色の覆輪斑をかける。各弁ともに厚肉の覆輪花で、水仙弁の平肩咲きである。斑柄は鮮明で深く、出芽の当初からの天冴えで、生長してからも暗まない。特に葉面の斑柄は、葉身の中央部より葉先にかけて良く入り、時折りわずかに縞斑を交える。 特色 / 古い品種ではあるが、丈夫で繁殖力も強く、一般に人気がある。端正な葉姿に深い覆輪斑が非常に良く調和している。 | 世界の図 Sekainozu昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 蛇皮斑 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 中葉性の中垂から中立葉。葉肉はややうすい。出芽は乳白。濃緑地に淡黄の蛇皮斑。芽出しから夏までは鮮明で、後に暗む。緑点が細い糸筋でつながる典型的な後暗み性。 特色 / 丈夫で繁殖は特によい。 | 世界の花 Sekainohana昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 大葉性の中垂葉。濃緑地で葉肉が厚く、葉幅も広い。緑地に極黄の切り斑。斑中に無数の緑点を残す。また、花にも緑点が現れる。 特色 / 丈夫で繁殖はよい。 |
雪月花 Setsugekka昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 覆輪斑・覆輪花 登録者 / 産地 / 熊本県 形態 / 濃緑地の中葉性、中垂れで、葉緑に黄白色の覆輪斑をかけ、葉先の蹴込みが特に深い。出芽は黄白色に出て、生長の過程で葉緑に覆輪斑を現す。各弁ともに厚肉で、緑地に深い白黄色の覆輪をかける、抱え気味の平肩咲きである。花茎は緑軸で伸びも良い。下は乳白色の大捲舌で、前面に淡い紅点を散らす。葉面の覆輪斑は葉元から葉先に行くほど鮮明で、葉先の蹴込みが特に深い。花弁の斑柄は白黄色で、弁咲より散り斑を交えて深く入る。 特色 / 葉緑の蹴込みと各弁の覆輪が特に深い。古くは『明冠』と呼ばれていた。 | 大雪嶺 Daisetsurei昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 縞斑 登録者 / 産地 / 高知県 形態 / 濃緑地で、厚肉・幅広の大葉性の中垂れである。葉身中央が幅広で、葉緑のギザが粗く、葉面に中押し縞斑が美しく入る。出芽は白黄色に出て、袴の部分に桃紅色を交える。天冴え性のため、斑柄は出芽の当初から白黄色に出るが、固定するとやや暗み、黄色を交える。葉緑の緑色と葉先の帽子が特に深い。 特色 / 雄大で堂々とした葉姿は、安定した縞斑柄とよく調和している。丈夫で繁殖力が強い品種で、長い歴史と伝統を持ち、多くの愛好者に人気がある。 | 高嶺の花 Takanenohana昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 山梨県 形態 / 葉緑のギザが粗く、緑地が濃く樋の深い、厚肉・幅広の中葉性、中垂れであり、葉面に極黄色の図虎斑を示す。出芽は黄緑色に紫紅色を交えて出るが、生長の過程で緑色を増し、葉面に図虎斑が現れる。図虎状に出るが、黄色の斑柄の中に緑色を混入する独特のものである。 特色 / 厚肉で葉緑のギザの粗い中立ち性のため、葉姿全体に雄大観がある。葉脈が太く葉先が鋭くとがっているのが特徴である。斑柄はやや出にくいが発芽後、新芽があまり生長しない時期に日照りを十分に与えると、本芸を示し鮮明になる。 |
立山錦 Tateyamanishiki昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 登録者 / 産地 / 形態 / 特色 / | 玉川 Tamagawa昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 登録者 / 産地 / 形態 / 特色 / | 長晃殿 Choukouden昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 縞斑 登録者 / 産地 / 形態 / 中葉性の中垂から中立葉。やや細葉。出芽は緑または淡紫紅。濃緑覆輪に乳白の中透縞と中押縞を現す。柄の狂いが非常に少ない。花は時にうすい中透縞をかけ、先端のとがった落肩咲きで小輪の長円弁。 特色 / 丈夫で繁殖はよい。古木になると縞が黄ばみ、葉の寿命は長い。出芽の淡紫が濃い時は縞もよく出る。『鳳凰殿』と酷似し、現在は区別されていない。 |
帝冠 Teikan昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 覆輪斑・覆輪花 登録者 / 産地 / 長野県 形態 / 濃緑地で厚肉の大葉性、中垂れである。葉緑に白黄色の覆輪斑を鮮明に示し、葉先からの蹴り込みも深い。出芽は白黄色に出て、緑色を増すが生長するにつれて白黄色の天冴えの斑柄が現れる。各弁ともに厚肉の平肩咲き、長円弁で、緑地に白黄色の深い覆輪斑を弁縁にかける。葉茎は太く、黄緑色の軸でよく伸びる。舌は乳白色の大捲舌で、前面と腮の部分に鮮明な紅色を散らす。葉緑の斑柄は全体が鮮明で、葉面にも極めて細い縞斑を交える。花弁の白黄色の覆輪は太く鮮明で美しい。 特色 / 丈夫で培養しやすく、葉姿と花容が良く調和している。 | 出羽の花 Dewanohana昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 山形県 形態 / 中葉性の中垂れで緑地が強く、やや細葉である。出芽は緑色に出て、生長するにつれて濃度が増し、葉面に濃黄色切り斑虎を現す。斑柄は当初、淡黄色に出るが、後冴え性のため生長するにつれて固定して判然となる。 特色 / 中垂れ性ではあるが、葉繰りが良く、葉姿は整然としていて気品がある。斑柄は比較的よく出て、濃緑地の葉身の全面に散在する。丈夫で繁殖力が旺盛のうえ、極黄色の斑柄が美しく、古い品種ではあるが愛好者が多い。 | 天朝冠 Tenchoukan昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 覆輪縞斑 登録者 / 産地 / 愛媛県 形態 / 大葉性の中立ちであり、厚肉で、よれ葉などを交える。葉緑に極黄色の大覆輪斑をかけ、葉面に曙虎斑や細かい縞斑を現す。出芽は黄緑色に出て、生長するにつれて後冴えの斑柄が現れる。後冴え性であるが、かなり鮮明な極黄色の覆輪縞斑で、特に葉緑の覆輪斑柄が深い。 特色 / 大葉性のため雄大観がある。斑柄は典型的な後冴え性で『四国錦』の芽変わり品種である。丈夫で繁殖力も旺盛であり、古い品種ではあるが篠数が意外と少ない。 |
常盤の松 Tokiwanomatsu昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 縞斑 登録者 / 産地 / 山形県 形態 / 緑地で厚肉、中葉性の中垂れ。葉身の先端部の葉幅が広い。出芽は淡黄緑色に出て、生長するにつれて縞斑を現す。黄白色の中透け縞で、斑柄の中の一部に松葉状の細かい線が入る。斑柄は安定しにくいうえに、淡黄色で判然としない。 特色 / 丈夫で繁殖力が強く、培養しやすい。縞斑柄が不安定で、葉脈がしっかりしている特徴があるため、葉の裏側から見ると縞斑柄の状態を確認しやすい。 | 東宝 Touhou昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 千葉県 形態 / 緑地の濃い、中葉性の中立ちで葉肉があり、葉緑のギザが細かくて多い。出芽は黄緑色に出て、生長するにつれて緑色を増し、葉面に黄色の切り斑虎を現す。葉柄は濃い黄色であるが、、やや不安定で冴えがなく、葉身の葉元部分に出ることが多い。 特色 / 丈夫で繁殖力が強い。しかし、古い品種でありながら不思議に篠数が少ない。出芽の当初から日照りを十分に採り、肥料を抑え気味にすることによって本芸を示す。 | 南紀 Nanki昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 覆輪斑・色縞花 登録者 / 産地 / 和歌山県 形態 / 濃緑地の中葉性の中立ちで、葉緑に黄白色の覆輪が入る。出芽は紫紅色に出て、生長するにつれ緑色を増し、葉緑に覆輪斑を示す。長円弁、平肩咲きの色縞花である。葉茎は緑地に濃い桃紅色を交える赤軸で、苞衣にも細い赤筋が入る。開花時の花茎の伸びは極めて良い。葉緑の覆輪斑は黄白色の鮮明な斑柄であり、花弁は淡紅色と緑色の地に、白黄色と紅色を交えた覆輪斑と縞斑模様を混入し、各弁に濃紫紅色の筋が入る。 特色 / 色覆輪縞花の名品で、特に開花前の蕾の発色が素晴らしい。丈夫で繁殖力は旺盛である。 |
南国の花 Nangokunohana昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 覆輪斑 登録者 / 産地 / 愛媛県 形態 / 大葉性の中垂葉。光沢のある濃緑地で厚肉。出芽は淡緑。濃緑地に乳白色の覆輪。濃緑地に乳白の覆輪花。厚肉の長円弁、平肩の大輪花。花茎はよく伸びる。舌点は点状のU字形。 特色 / 丈夫で繁殖もよい。 | 日光殿 Nikkouden昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 覆輪斑 登録者 / 産地 / 福井県 形態 / 濃緑色の地で、大葉性の立ち葉。葉縁に白黄色の覆輪斑をかける。葉先が鋭くとがり、葉面に美しい光沢がある。出芽は白黄色に出て、生長するにつれて緑色を増し、葉縁に鮮明な覆輪斑を現す。柄は鮮明な白黄色の覆輪斑で、葉元から葉先にかけて葉縁に判然と入る。 特色 / 丈夫で繁殖力が旺盛。立ち葉性のため、大株に仕立てると見栄えがする。古い品種で別名『勝山覆輪』などと呼ばれている。 | 白雪冠 Hakusetsukan昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 覆輪斑 登録者 / 産地 / 形態 / 特色 / |
春雨冠 Harusamekan昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 覆輪斑 登録者 / 産地 / 山形県 形態 / 光沢のある濃緑地に純白の深覆輪で、よい花が咲く。 特色 / 現在でも山形県には少数残っているといわれているがほとんど流通していない。 | 榛名山 Harunasan昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 群馬県 形態 / 緑地で厚肉の、中葉性であり、葉面に極黄色の切り虎斑を鮮明に示す。『錦麒麟』にいくぶん似ているとこもあるが、本種は大切り虎斑が多い。出芽は緑色に出て、生長過程で虎斑が現れる。色彩は極めて濃い黄色であるが、大切り虎斑が多く、やや派手柄である。 特色 / 葉姿は雄大であり気品があるが、葉先が鋭くとがっていて、葉繰りが悪い。かなり古い品種のうえに、丈夫で繁殖力も強いが、意外に篠数が少ない。斑柄がやや不安定で冴えがない。 | 富国 Fukoku昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 登録者 / 産地 / 形態 / 特色 / |
不二冠 Fujikan昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 覆輪斑・縞斑 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 厚肉・幅広の濃緑地で、大葉性の中垂れである。出芽は白黄色に出て、生長の過程で葉面および葉緑に、天冴えの縞斑と覆輪斑の双方の斑柄を示す。鮮明な斑柄は弁咲まで良くかかり、特に葉面に現れる白黄色の縞斑は、葉面の青みがかかった緑色によってより鮮明になる。 特色 / 葉先が丸止で、広い葉幅の葉姿に縞斑と覆輪斑が混入する。斑柄系の品種の中でも『皇輝』などとともに2芸品の貴品である。丈夫で繁殖力も強く、培養しやすいが、湿度が多すぎると葉面の傷みやすい特性がある。古い品種ではあるが人気が高い。 | 二羽鶴 Futabazuru昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 変わり葉・縞斑 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 濃緑地で葉艶のある、中葉性の中立ちである。葉緑のギザは細かくて多く葉肉も厚く、葉先に燕尾が出たり、葉面に甲龍を現す事もある。出芽は黄緑色に出て、次第に緑色を増し、葉面に縞斑柄を示す。斑柄に不安定のところもあるが、葉面に黄白色の縞斑が筋状に入る。 特色 / 葉先に燕尾の出る葉変わりで、そのうえ葉面に縞斑の現れる二芸品である。かなり古くからのものであるが、珍しい組み合わせの芸を持つ品種である。 | 不動猛虎 Fudoumouko昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 千葉県 形態 / 緑地の細葉性の立ちで、葉脈がしっかりしていて、葉緑のギザは細かくて多い。葉面全体に黄色の切り虎斑を散らす。出芽は緑色に出て、生長の過程で葉面に斑柄を現す。葉元から葉先に至るまで黄色の斑柄が散在するが、斑切れがあまり良くない。 特色 / 古くからの品種で、『越路の花』に似ているが、地合いの緑色が強く、葉先が鋭くとがり葉幅の狭い立ち葉性が特色である。また、葉面の虎斑が不鮮明で、固定してから白黄色になる。培養しやすい品種でかなり増殖されている。 |
武陽の花 Buyounohana昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 埼玉県 形態 / 中葉性の中垂葉。緑地で葉肉はうすい。出芽は緑。緑地に黄色の切り斑。大斑になりがちで切れはあまりよくない。 特色 / 丈夫で繁殖もよい。柄は出やすい。 | 鳳凰殿 Hououden昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 縞斑 登録者 / 産地 / 栃木県 形態 / 中葉性の中垂れで、葉緑のギザが細かく、やや平葉性の葉面に、中押し縞斑が現れる。出芽は黄白色の天冴えに出て、生長するにつれ葉緑の緑色を増すとともに、縞斑の黄色みを増す。安定した黄白色の中押し縞斑で気品があり、葉緑の緑覆輪が鮮明で、葉先の帽子が深い。 特色 / 黄白色の中押し縞斑と葉姿の調和にすぐれ、気品があって優雅である。丈夫で培養しやすく繁殖力が旺盛のため、かなりの篠数に増殖されている。なお『長晃伝』と非常によく似ているが、斑柄に色彩が黄白色であることと、葉面の地合いが異なる。 | 宝琳 Hourin昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 濃緑地の厚肉・幅広の中垂れ。やや平葉性だが、葉先に丸みがある。葉脈が太く、葉縁のギザが細かい。出芽は当初から黄緑色に出て、生長の過程で虎斑が現れる。柄は極めて濃い黄色で、鮮明な図虎斑や切り虎斑を主体に、玉虎斑などを葉面に交える。 特色 / 丈夫で培養がしやすい。雄大な葉姿に、天冴え性の極黄色の斑柄は極めて珍しく、魅力的。 |
三笠山 Mikasayama昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 茨城県 形態 / 厚肉の中葉性の中垂れで、葉面に鮮明な極黄色の切り虎斑を現す。出芽は淡い紫紅色を交えて出て、生長するにつれて斑柄が鮮明になる。葉脈がしっかりしている平葉性である。緑色の葉面に、切り虎斑、大切り虎斑などを交え、葉身の全体に気品のある黄色の斑柄が散在する。 特色 / 丈夫で繁殖力が強い。特色としては、斑切れが美しく、斑柄と葉姿全体とのバランスが極めて良いことである。古い品種ではあるが、虎斑系の中でも評価が高く、愛好者の層も厚い。 | 帝の松 Mikadonomatsu昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 縞斑 登録者 / 産地 / 埼玉県 形態 / 濃緑地の、大葉性の中立ちで、葉面に黄白色の中透け縞斑を示す。葉緑のギザは細かくて多く、葉先が鋭くとがっている。出芽は淡い黄緑色に出る。斑柄の安定度にやや欠けるが、葉面の縞斑に松(縞斑と縞斑の間に細かい松葉状の緑色の筋が入ること)を交えて味わい深い。 特色 / 古くからの品種で、丈夫である。苗木の時は『銀司晃』に似ているが、葉緑のギザが『銀司晃』ほど粗くない。縞斑柄は当初、白黄色に出るが、固定すると黄色みを増しやや不安定であるが培養しやすく、広く愛好されている。 | 御剣 Miken昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 変わり葉・縞花 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 濃緑地の中葉性、中垂れである。葉面に白黄色の縞斑や散り斑を現し、燕尾葉、剣葉、よれ葉などの多芸を示す。出芽は黄白色に出る。黄白色の中透け縞花で、やや落肩咲きである。葉面および花弁ともに縞斑柄は白黄色で、やや不鮮明である。 特色 / 葉芸が多様に変化する珍しい品種である。斑柄も日照りを十分に採ると鮮明な乳白色の縞斑となり、花弁にもよく出る。丈夫で培養しやすい品種。 |
水戸の花 Mitonohana昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 茨城県 形態 / 大葉性の濃緑地の中垂れで、やや葉肉が薄く、よれ葉や巻き葉を交える。出芽は黄緑色に出て生長するにつれて虎斑を現す。葉幅がやや狭く、葉緑のギザは細かい。黄色でやや流れ気味の切り虎斑であり、平均して葉緑により多く現れる傾向がある。 特色 / 葉繰りが良く、葉姿が優雅で、葉面に断片的に現れる切り虎斑とよく調和している。古い品種ではあるが見栄えのする斑柄で、そのうえ丈夫で培養しやすいので人気がある。 | 武蔵の花 Musashinohana昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 埼玉県 形態 / 濃緑地の大葉性の中垂れで、葉姿は整然としている。光沢のある葉面にやや長めの切り虎斑を鮮明に示す。出芽は黄緑色に出て、生長するにつれて葉面の緑色を増し、斑柄が鮮明になる。黄色で気品のある鮮明な切り虎斑で、緑色の地合いとよく調和する。 特色 / 丈夫で繁殖力が旺盛であり、古くからの品種でありながら、意外に篠数が少ない。端正な葉姿が好ましく、やや派手気味な斑柄であるが、広く愛好されている。 | 群千鳥 Murechidori昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 蛇皮斑 登録者 / 産地 / 埼玉県 形態 / 中葉性の中垂れで、濃緑地の葉面に黄金色の蛇皮斑が入り、葉姿全体を引き立てている。出芽は白黄色に出て、生長するにつれて葉面に蛇皮斑を現す。極めて濃い黄色で、大切り性の蛇皮が美しく入る。 特色 / 天冴え性のため斑柄が出やすく、葉姿が端正のうえ、判然と現れる極黄色の斑柄は気品にあふれる。やや細葉であるが、葉脈が太くしっかりしているので丈夫である。古い品種ではあるが人気が高い。 |
野州の花 Yasyuunohana昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 栃木県 形態 / 昭和10年代中期から新潟県の名鑑に登場した品種で、栃木県産の極黄の図虎であるといわれる。『甲斐の花』に似たイメージのもの。 特色 / 現在でも少数は茨城県方面に残っている可能性もあるといわれているが実態は不明。 | 大和錦 Yamatonishiki昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 覆輪斑 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 中葉性の中垂れで厚肉、濃緑地の葉緑に黄色の覆輪斑をかける。出芽は白黄色に出て、生長するにつれ緑色を増し、葉緑に黄色の斑柄を現す。鮮明な黄色の覆輪斑で、葉面にかすかに縞斑を交えることもある。黄色の覆輪斑が太く、葉先の蹴込みが深い。 特色 / 濃緑地の地合いで、葉先は鋭くとがっているが、しっかりしている葉姿に太い黄色覆輪斑が良く調和して美しい。古い品種ではあるが、丈夫で培養しやすい。 | 麟鳳 Rinpou昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 羅紗 登録者 / 産地 / 茨城県 形態 / 羅紗葉で万年青に近い葉姿。葉先がとがり、よじれる立葉で、縞や竜が出る小型の奇品種。 特色 / 非常に古い品種。 |
輪波の花 Wanaminohana昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(柄物) 虎斑 登録者 / 産地 / 福島県 形態 / 厚肉・幅広の大葉性、中垂れで葉緑のギザが粗く、樋が深い。斑柄は極めて濃い黄色で、整然と濃緑色の葉面に散在する。出芽は淡緑色に出て、生長の過程で斑柄を現す。多彩で鮮明な極黄色の斑柄が特色で、切り斑虎斑、多摩虎斑、図虎斑などいろいろに変化した芸を交える。 特色 / 葉繰りの良さとともに、変化に富む斑柄は堂々とした葉姿をひときわ引き立て、よく調和する。古い品種ではあるが、虎斑系の代表品種のひとつであり、評価も高く人気がある。 | 東菊 Azumagiku昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 変わり花(菊咲き) 登録者 / 産地 / 千葉県 形態 / 中葉性の中垂から中立葉。光沢のある緑地で、葉肉は普通。葉幅はやや細めで樋が深い。葉繰りがよく整然とした葉姿になる。出芽は緑。澄んだ緑色の菊咲きの奇花。外弁は10枚前後で、中心部に淡紅色の斑点がわずかに入り、半舌、剣弁などに変化した舌と鼻頭が集まる。花の一節下に三枚のがくをつけることが多い。花茎は淡緑で特によく伸び、ごくまれに花茎から長い枝を出して花をつける。 特色 / 丈夫で繁殖、花つきともによい。真品は大変に上品であるが、数が少ない。 | 東の光 Azumanohikari昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 朱紅色 登録者 / 産地 / 茨城県 形態 / 中葉性の中垂で、葉脈の中心に沿って淡黄色の筋が入る。出芽は淡い緑色に出て、生長過程では葉面に曙斑を強く現すが、これが消え淡緑色となる。花は朱紅色の長円弁で、いくぶん抱え咲き、棒心もよく整っている。花茎は淡い緑色に節の部分が紫紅色で、開花時の伸びも良い。 特色 / 丈夫で繁殖力も強いが、日照の採り方によっては発色にムラがあり、主弁・副弁の弁元や弁先に緑色を残して咲くことが多い。花色の良否と棒心の抱え具合に特色がある。 |
東牡丹 Azumabotan昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 変わり花 登録者 / 産地 / 千葉県 形態 / 大葉性の立葉。濃緑色で厚肉。葉ぐりが特によい。出芽は緑。柱頭にあるべき位置に、変形した小さな柱頭や不完全な舌弁が多数重なり合うように集まったもう一つの奇花を置く構造。外弁にも生田がかかり、舌弁一枚だけが原形を保つ。白い花茎はよく伸び、大輪花を正面を向いて咲かせる。 特色 / 丈夫で繁殖はよい。小株では花つきが悪い。本品種の花は安定性があり毎年同じ型に咲く。 | 越後獅子 Echigojishi昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 覆輪斑・変わり花 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 緑地で厚肉・葉広の葉緑に黄白色の覆輪斑が入り、葉脈の太い大葉性の中立ちである。出芽は黄緑色に出て、生長すると露受け葉も交える。各弁ともに厚肉で、主弁と棒心は丸みがあって紫紅色の筋を交え、副弁の半分が舌化して生田をかけ、後方に反転する獅子咲きである。葉茎・苞衣ともに紅筋を交え、筋の部分が濃く、開花時にはよく伸びる。葉緑に黄白色の覆輪斑が入り、葉面に淡い縞斑を交えることもある。 特色 / 古い品種ではあるが、花と斑柄の複芸品として珍しく、丈夫で変わり花としての人気もある。 | 大虹 Ooniji昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 紅赤色縞 登録者 / 産地 / 長野県 形態 / 大葉性の中立ちで、葉幅があり、葉縁のギザが粗い。出芽は葉面に縞斑が現れ、生長するにつれて暗み、ほとんど消える。花は各弁ともに肉厚の長円弁、平肩咲き。緑地に鮮明な朱・紅・橙・黄色などの色彩を交える。棒心の抱えが良い。花茎は淡い紅軸で節の部分が色濃く、開花時にはよく伸びる。舌は黄白色の大捲舌で、前面に二引きの紅点を示す。 特色 / 花付き、繁殖力ともに良く丈夫。全体的に花容が整い、美しい色調。なお、同時期に付近で発見されたものに『虹の光』と称するものもあるが、色縞花ではない。 |
織姫 Orihime昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 朱金色 登録者 / 産地 / 茨城県 形態 / 肉厚、大葉性の中垂れで雄大感がある。出芽は黄緑色に出て生長するにつれて緑色を増すが、やや色が薄い。葉面には艶があり、葉身の中央から先端にかけての幅が広い。花は長円弁、平肩咲きの大輪で、棒心の抱えは良いが、主弁・副弁の弁元がやや細い。花茎は淡い紫紅色の赤軸で、特に花梗丈夫の色がかなり濃い。舌は白色だが、前面の紅点が不規則に多く、腮の部分に特に多く出るため判然としない。 特色 / 丈夫で繁殖力も良いが、古くからの品種でありながら篠数が少なく、『金鵄殿』などと混同されやすい。 | 角梅 Kakubai昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 変わり花(段咲き) 登録者 / 産地 / 秋田県 形態 / 大葉性の中立葉。濃緑地で葉肉、葉幅とも普通。粗剛な感じの葉姿。出芽は緑。淡緑色の正常花を一茎に3~6花つける段咲きの奇花。水仙弁の落肩咲き。弁先がとがりやや反転する。棒心は抱えるがやや開く。時折、最上花が兜をつけるなど奇形化することがある。花茎も15~20cmくらいまで伸びる。 特色 / 丈夫で繁殖もよい。充実した大株に作り上げると輪数が増える。別名『多宝塔』といわれた。 | 神楽姫 Kagurahime昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 朱紅色 登録者 / 産地 / 茨城県 形態 / 緑地で中葉性の中垂れ。葉肉は比較的厚く、葉身の中央部が幅広。出芽は淡い黄緑色に出て、当初葉面に曙虎斑を鮮明に示すが、生長するにつれてほとんど消え、採光を強く培養すると葉元の部分に曙虎斑を残し、葉身の中央部分が巻く。花は平肩咲きで、やや抱え気味の長円弁。各弁ともに肉厚で、蕾の段階で発色する。花茎は、淡く紅色かかった黄白色で、苞衣が透明。舌は白色の大捲舌で、前面に二引きの紅点が入る。 特色 / 本種は枯死寸前の状態から仙台市の鈴木吉太郎氏が再生させた希貴品。 |
鯨波 Kachidoki昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 変わり花(八重牡丹咲き) 登録者 / 産地 / 長野県 形態 / 濃緑地に肉厚・幅広の大葉性で、中垂れ。葉脈が太く樋が深い。出芽は緑色に出て濃度を増す。葉姿全体が雄大感にあふれている。花は主弁・副弁ともに退化して舌化し、剣弁状となって四方に広がり、その中に変化した舌が、生田を交えて牡丹状に咲く。変化した唇弁の基部から中央部にかけては紅色で強く染め、先端部分には多くの紅点を散らす。花茎は太く、花梗と節の部分はひときわ紫紅色が強い。開花時には葉上によく伸びる。 特色 / 丈夫で繁殖力、花付きともに良いが、草勢がないと本芸をしない。古い品種だが変わり花としての貴品。丈夫で繁殖力、花付きともに良いが、草勢がないと本芸をしない。古い品種だが変わり花としての貴品。 | 菊慈堂 Kikujidou昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 変わり花(菊咲き) 登録者 / 産地 / 茨城県 形態 / 中葉性の中垂から中立葉。緑色地で葉ぐりがよく、10枚くらいになる。光沢のある濃緑地でとい葉。葉幅はやや細め。出芽は緑。白緑色の細い花弁が10枚以上、下方から順次伸びながら咲いていく。中央には小さな変形した柱頭や白い花被片が並ぶ菊咲きで、紅点が少ないので素心のように見える。花茎は淡緑でよく伸びる。数枚のがくや、がく化した苞が、下方より7~8枚、花の基部までつく。 特色 / 丈夫で繁殖はよいが、花つきは特に悪い。やや遅咲き。 | 極紅 Kyokkou昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 赤紅色 登録者 / 産地 / 千葉県 形態 / 葉は濃緑地で肉厚、大葉性の中垂れ。よれ葉を交えてやや暴れ、葉脈が太い。出芽は当初から緑色に出る。花は各弁ともに肉厚の、濃い赤紅色の長円弁。大輪で落肩咲き。弁元がやや細く、弁先には丸みがある。発色にやや難点があり、弁元と弁先に緑色を残すことが多いが、早くから日照を採ると赤紅色の本芸を示す。花茎は緑軸に紅色を交えて良く伸びるが、花梗の上方(花弁の付け根)と節の部分の紅色が特に強く、苞衣に赤筋を混入する。舌は白黄色の大捲舌で、前面に淡いU字型の紅点を付け、腮の部分に紅を散らす。 特色 / 性質は繁殖力、花付きともに良い。 |
金華山 Kinkazan昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 朱金色 登録者 / 産地 / 埼玉県 形態 / 光沢のある緑地で、幅広の大葉性の中垂れだが、平葉でやや巻き葉の傾向がある。出芽は淡い緑黄色に出るが、生長するにつれて明るい緑色になる。花は各弁ともに厚肉で、棒心の抱えが良い大輪。平肩咲きの水仙弁であるが、弁先がややとがる。花茎は淡い緑地に紅色を交え、節の部分の紅色が強く出る。苞衣は淡い桃色に赤筋が入り、開花時の花茎の伸びは特に良い。 特色 / 古い品種であり、丈夫で繁殖力も良いのが、篠数が少ない。いくぶん遅咲きの傾向があるが、朱金色の大輪咲きで花容に特色があり、そのうえ本芸を示すと鮮明な発色となる。 | 金鵄殿 Kinshiden昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 朱金色 登録者 / 産地 / 茨城県 形態 / 葉はやや肉厚の薄い緑地で、中葉性の中立ち。葉身の中央部の葉幅が広く、葉脈が太く鮮明。出芽は淡緑色に出るが、生長しても濃緑色にならず、明るい緑色。花は各弁ともにしっかりした、水仙弁の大輪だが、棒心がやや開き、いくぶん落肩咲き。花茎は開花時に特に良く伸び、黄白色の地に紅色を交え、上部と節の部分の紅色は特に濃い。苞衣は白色に紅筋が入り、花容を引き立てる。舌は黄白色で、前面に不規則な紅点を散らす。 特色 / 天冴えにもかかわらず、弁元や弁先に緑色を残すことがある。 | 皇国の花 Koukokunohana昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 変わり花(牡丹咲き) 登録者 / 産地 / 茨城県 形態 / 中葉性の中垂葉。光沢の強い淡緑地で、葉幅はやや細め。止め葉には剣葉を出すことが多い。出芽は淡緑。半ば舌化したがくや苞6~7枚の中に、鹿の子状に紅点を散らした舌弁6~7枚が車状に並ぶ。花の緑は淡緑色。大輪の牡丹咲き。 特色 / 丈夫であるが、繁殖はあまりよくない。 |
紅天の花 Koutennohana昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 朱金色 登録者 / 産地 / 秋田県 形態 / 濃緑地で樋が深く、葉脈も鮮明だが、やや巻き葉の傾向がある。中葉性の中垂れで、艶がある。出芽は黄緑色に出て、生長するにつれ緑色を増す。花の弁肉がやや薄く、明るく鮮明度の高い濃朱金色の水仙弁、大輪咲き。花茎は、淡い黄地に紅点を交えた赤軸で、特に花梗の上部と節の部分の紅色が強く、よく伸びる。舌は黄白色の捲舌で、前面に二引きの紅点が入る。 特色 / 容は大輪で発色も良いが、棒心がやや開き、主弁・副弁の先端が開花してから後方に反り返り、3弁の弁元がやや細い。丈夫で繁殖力も強く、古くからの品種であるが人気が高い。 | 紅明 Koumei昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 朱紅色 登録者 / 産地 / 千葉県 形態 / 光沢のある緑地で、中葉性の中垂れ。葉姿全体が緩やかな曲線を描く。出芽は黄緑色に出て、当初わずかに芯がらみを見せるが、成長するにつれて消える。花は明るく鮮明度の高い朱赤色で、水仙弁の大輪、平肩咲きで棒心の抱えも良い。各弁は弁元がやや細く、中央から先端にかけて幅広。花茎はいくぶん細く、緑地に赤筋を交え、節の部分の紅紫色が濃い。舌は白黄色の捲舌で、前面に不規則な紅点をわずかに散らす。 特色 / 花色の純度の高いことが、この花の特色で、草勢の割に大輪の花を咲かせるのも魅力である。花容全体に気品があり、丈夫で繁殖力も強い。 | 紅陽 Kouyou昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 朱紅色 登録者 / 産地 / 茨城県 形態 / 淡緑色の地に芯がらみや曙斑を交える、中葉性の中垂れ。葉身中央部に葉幅がある。出芽は緑色に出て、当初から葉面に曙斑を強く現し、生長してからも残る。花は朱紅色、長円弁の大輪で、やや落肩咲き。花色は弁先が平均して強い。花茎は白黄地に淡い紅色をかけ、節の部分と花梗の部分が強く、開花時によく伸びる。舌は黄白色で比較的大きく、前面に不規則な紅点が入る。 特色 / 丈夫で繁殖力も強い。採光を強くした時の発色が良く、花茎の伸びと葉姿とのバランスが良いので、広い人気がある。 |
光琳 Kourin昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 朱金色 登録者 / 産地 / 千葉県 形態 / 濃緑地で、厚肉・幅広の中垂れ性。葉脈が太くは艶があり、樋が深い。葉姿全体に雄大感がある。出芽は黄緑色で、生長するにつれて緑色を増す。花は各弁ともの厚肉で、弁幅が広い丸みのある長円弁の中輪。棒心の抱えも良く、発色にムラがない。花茎は太く、緑軸に赤筋を交え、節の部分と上部の紅色が強い。舌は大きく、白黄色の捲舌で、前面に不規則で粗い紅点を散らす。 特色 / ふくよかな花容と、特異な朱金色の発色に魅力があり、葉姿との調和にすぐれている。丈夫で繁殖力も良い。やや花茎の伸びは悪いが、多くの愛好者に好まれている。 | 黒牡丹 Kokubotan昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 紫紅色 登録者 / 産地 / 茨城県 形態 / 光沢のある濃緑地で、大葉性の中垂れ。出芽は紫色が濃い濃緑色に出て、生長するにつれて紫色が消える。葉先はとがっているが、葉身の中央部が幅広。花は各弁ともに弁肉が厚く、長円弁の平肩咲きで、棒心の抱えも良い。花茎は緑軸でよく伸び、上部の紫色が強い。苞衣は緑黄色で、紅色の筋を交える。舌は黄白色で前面に不規則な紅点が入る。 特色 / 丈夫で花付きもいいが、特色としては紫色の発色が不足する。蕾のうちは濃紫色に発色するが、開花すると各弁の内側や先端に緑色を残すのが惜しまれる。 | 胡蝶の舞 Kochounomai昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 変わり花(蝶咲き) 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 厚肉・幅広の濃緑地で、大葉性の中垂れである。出芽は淡い黄緑色に出るが、生長するにつれて緑色を増し、葉縁に細い黄白色の覆輪斑をかける。淡い緑弁の典型的な蝶咲きで、副弁の下方半分が舌化して白色になり先端が反転する。舌は乳白色で大きく、前面に不規則な紅点を散らす。花茎は淡い緑色の地に紅色を交え、節の部分の紅色が濃く、開花時の伸びが良い。 特色 / 古い品種であるが、『越後獅子』とともに蝶咲きの代表品種であり、珍花として愛好されている。丈夫で繁殖力が強く花付きも良い。 |
栄菊 Sakaegiku昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 変わり花(八重菊咲き) 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 大葉性の中垂葉。濃緑地で厚肉。葉幅は並で平葉。出芽は緑。緑地に花被が大小数十枚も放射状に重なりあった八重菊咲きタイプの大輪である。花茎は緑で、力がつくと10cmくらいに伸びる。大輪で上向きに咲く。各弁にはうっすらと淡黄の縞状のぼかしが入る。 特色 / 丈夫で繁殖よい。草勢が増すと弁数も増し、花茎もよく伸び見事だが花付にやや難がある。 | 紫宝 Shihou昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 赤紫色 登録者 / 産地 / 長野県 形態 / 濃緑地で、厚肉・幅広の大葉性、中垂れ。葉面に艶があり、葉脈は判然としていて、葉縁のギザは細かい。出芽は紫紅色を帯びて出て、生長するにつれて緑色を増す。各弁ともに厚肉の長円弁。花容全体がふくよかで、棒心の抱えも良く、弁先に丸みがある。花茎は太く、濃紫色に軸で、節の部分の紫紅色が強い。苞衣は淡い紫色で、太めの節が濃色になる。舌は大きく幅広で、紫紅色の点が不規則に入る。 特色 / 数少ない紫花の中でも発色にすぐれ、開花後も暗まないが、花茎の伸びがやや悪い。 | 瑞雲香 Zuiunkou昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 朱金色 登録者 / 産地 / 埼玉県 形態 / 葉は濃緑地で樋が深い、中葉性の中立ちで、細葉。出芽は淡い緑色に出て、次第に濃度を増す。葉繰りが非常に良い。水仙弁の大輪で、やや抱え気味に咲く。花容は整っているが、各弁の弁肉が薄いので、開花時に弁先がいくぶん反り、棒心もやや開く。花茎はよく伸び、淡い緑色の地に赤色を交え、節の部分の紅色が濃い。舌は花容に比べて幅広の大捲舌で、乳白色の地に不鮮明な紅点を散らす。 特色 / 丈夫で繁殖力も強く、花茎の伸びが良いので葉姿とよく調和し、古い品種ではあるが人気がある。 |
翠苑 Suien昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 素心 登録者 / 産地 / 静岡県 形態 / 淡い緑地で、中葉性の中垂れ。葉脈はしっかりしていて、やや樋が深く、光沢はない。出芽は淡い黄緑色に出て、生長してもあまり変らない。花は各弁ともに弁肉があり、ふくやかな丸みのある長円弁。棒心が大きく、よく整っているので気品がある。花茎は太い黄緑軸で、苞衣は乳白色にわずかに緑色をかける。舌は厚肉で、白黄色の大捲舌。 特色 / 花形が良く、そのうえ花容に気品があり、太い花茎と苞衣の清楚さが、一段とこの花に美しさを添える。丈夫で繁殖力が強い。古い品種であるが愛好者が多い。 | 瑞晃 Zuikou昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 朱金色 登録者 / 産地 / 茨城県 形態 / 緑地で厚肉の、葉姿の整った中葉性の中立ち。出芽は黄緑色に出て、次第に緑色を増す。各弁ともに厚肉の水仙弁で、明るい朱金色の平肩咲きで大輪。発色の良い時は、橙紅色を交えた朱金色になる。花茎は紅色をかけた淡い赤軸で、開花時には葉上によく伸びる。舌は淡い乳白色の捲舌で、鮮紅色の不規則な紅点を前面に散らす。 特色 / 丈夫で繁殖力も強くて培養しやすく、花付きも良い。花茎の伸びが良く、葉姿との調和にすぐれ、古い品種ではあるが、花色が鮮明であるので一般に人気がある。 | 瑞鳳殿 Zuihouden昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 赤紅色 登録者 / 産地 / 茨城県 形態 / 緑地で艶があり、葉縁にギザがあって、優しい感じのする大葉性の中立ち。出芽は淡い黄緑色み出て、生長するにつれて緑色を増す。出芽の当初は葉面に曙斑を強く現すが、後に暗む。やや遅咲きの傾向もあるが、水仙弁で抱え気味の平肩咲き大輪。葉姿に比して各弁は厚肉。花茎はいくぶん細く、淡い黄色の地に紅点を交え、節の部分と花梗の上方部分に強い紅色を散らし、よく伸びる。苞衣はやや長く、同系色。舌は乳白色でやや大きく、前面に二引きの鮮明な紅点を散らす。 特色 / 繁殖力が強く丈夫であり、発色の良さと優美な大輪花のため人気がある。 |
千成牡丹 Sennaribotan昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 変わり花(八重咲き) 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 濃緑地で厚肉、中葉性の中垂れ。出芽は黄緑色に出て、生長の過程で緑色を増す。葉繰りが特に良い。花は厚肉の緑色の花弁が変化し、5枚から6枚が上方に向き、その中心に鼻頭や舌が複雑に変化した多数の弁が、牡丹の花のように重なり合って咲く八重咲き。花茎は淡緑色。 特色 / 一時は絶種したとまでいわれていた珍花。牡丹咲き、菊咲きなどの変わり咲きは草勢が良く、大株でないと本芸を示さない傾向がある。極めて古い品種であるが、八重咲きの変わり花は珍しく、人気のある希貴品。 | 高嶺の華 Takanenohana昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 紫色段咲き 登録者 / 産地 / 長野県 形態 / 濃緑地の細葉性の立ち葉で、葉脈がしっかりしていて葉肉もある。葉縁のギザは少ない。出芽は黄緑色に出て、次第に緑色を増す。一茎多花性の紫紅色段咲きであり、各弁ともに厚肉で、重なり合ったように咲く。蕾は黒紫色に出るが、苞衣が開くと緑色を交える。花茎は淡い紅紫色で、節と花梗上部の色彩が強い。舌は黄白色で、全体に不規則な紅点を散らす。 特色 / 色花で一茎多花という品種は非常に珍しく、通常は3輪から4輪を付けるが、草勢が多いと5輪から6輪の段咲きとなる。また本種の特色は、止め薬に必ず剣葉を出すことで、希貴品。 | 多摩の光 Tamanohikari昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 朱金色 登録者 / 産地 / 千葉県 形態 / 中葉性の中立ちで、濃緑地のやや平葉。出芽は浅黄色に出て、生長するにつれて緑色を増す。出芽の当初、芯がらみを示すが後に暗む。花は水仙弁の平肩咲きで、やや落肩だが、棒心の抱えは特に良い。各弁とも弁元から弁先にかけて筋がある。花茎は淡い緑地に紅色の筋が入り、節の部分がより鮮明。苞衣も花梗と同様で、前面に不規則な紅点をわずかに散らす。 特色 / いくぶん発色が遅い傾向があり、開花しても緑色が残る欠点があるが、早くから日照を採ると驚くほど鮮明な朱金色になる。性質は丈夫で繁殖力も強い。 |
多摩の夕映 Tamanoyuubae昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 朱金色 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 葉は緑地で厚肉、大葉性の中立ち。出芽は淡い黄緑色に出て、当初かなり鮮明な曙斑を葉面に交えることもあるが、生長するにつれて消え、緑色となる。各弁ともに厚肉の水仙弁で、弁元がやや細い。大輪で棒心の抱えは良いが、落肩咲き。花茎は白黄色の地に淡い紅色の筋を交え、苞衣も乳白色の地に赤色の筋が入る。 特色 / 丈夫で繁殖力が強く、培養しやすいので一般に人気がある。大輪で雄大感があり、日照を蕾のうちから早めに採ると、朱金色をさらに強くした橙紅色の見事な花色になる。 | 多摩牡丹 Tamabotan昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 変わり花(牡丹咲き) 登録者 / 産地 / 茨城県 形態 / 中葉性の中垂葉。葉幅は細めで、葉繰りは8~10枚くらいと多く、止め葉には細い剣葉が出ることがある。出芽は緑。牡丹咲きタイプの奇花。緑色のがくの中に、淡紫色の生田のかかった花弁が十数枚重なり牡丹咲きとなる。 特色 / 丈夫で繁殖はよい。株が充実した草勢にならないと花つきが悪い。貴重な品種であるが、現在はあまり見られない。 | 天華 Tenka昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 朱金色 登録者 / 産地 / 茨城県 形態 / 緑地の厚肉で葉脈が太く、葉縁のギザが粗い。中葉性の中立ちで樋が深い。出芽は黄緑色に出て、当初葉面に芯がらみを見せるが、後に暗み緑色を増す。花は各弁ともに厚肉・幅広の長円弁で、弁先に丸みがある。花茎は良く伸び、黄色の地に紅色を交え、節の部分が濃い。苞衣は淡い紅色で、中央部分に濃い紅色が入る。舌は黄白色で、弁幅の広い大捲舌であり、前面と腮の部分に不規則な紅点を散らす。 特色 / 開花後に棒心がやや開くが、花容はよく整っている。舌が特に大きく、柿の実を思わせるような発色を示し、『光琳』を小型化したような品種。 |
天紅香 Tenkoukou昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 赤色 登録者 / 産地 / 埼玉県 形態 / 大葉性の濃緑地で、葉縁のギザは粗いが、やや平葉の中垂れで雄大感がある。出芽は緑色に出て、濃度を増す。赤紅色の水仙弁で大輪。平肩咲きで棒心の抱えも良いが、先端がやや外側に反る。花茎は淡い樺色で葉上に良く伸び、節の部分に紅点をわずかに散らす。苞衣は乳白色の地に紅筋をかける。舌は乳白色の捲舌で、前面に二引きの紅点が入る。 特色 / 繁殖力が旺盛で、花付きも良い。葉姿の雄大感に加え、大輪の平肩咲きため広い人気がある。 | 天紫晃 Tenshikou昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 紫紅色 登録者 / 産地 / 長野県 形態 / 濃緑地で葉脈が太く、葉縁のギザは細かい。厚肉・幅広の大葉性で中垂れ。出芽は赤紫色に出て、生長するにつれて緑色を増し濃緑色になる。花は各弁ともに弁肉が厚く、幅広の長円弁で弁先に丸みがある。花容は棒心の抱えの良い平肩先の大輪。花茎は、苞衣ともに赤紫色で、開花時の伸びも良い。舌は白黄色で、前面に不規則な紅点を散らす。 特色 / 紫花の品種も多いが、なかでも本種の発色は抜群で、黒ずんだ紫色の蕾から開花して、花が終わるまで暗まない。古い品種ではあるが、紫花系の代表的品種として広い人気がある。 | 東源 Tougen昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 朱紅色 登録者 / 産地 / 茨城県 形態 / 葉は濃緑地で光沢があり、葉肉があり、樋が深い。葉縁のギザは粗く、葉姿全体が落ち着きのある大葉性の中垂れ。出芽は淡緑色に出て、当初曙斑を示すが、これが消え緑色を増す。各弁ともに厚肉・幅広。長円弁の平肩咲きだが、棒心がやや開く。花茎はよく伸び、白黄色の地に紅色を交え、節の部分の紅色が濃い。苞衣は淡い褐色に赤筋を交える。舌は黄白色の大捲舌で、前面に太く鮮明なU字型などの紅点を現す。 特色 / 古くからの品種だが、紫紅色のかかった素晴らしい花色。丈夫で花付きが良く、広い人気がある。 |
桃源香 Tougenkou昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 赤紅色 登録者 / 産地 / 長野県 形態 / 大葉性の中垂れで、厚肉・幅広の緑地。葉縁のギザが比較的細かい。出芽は淡い緑色に出て、生長のの過程で曙斑や芯がらみを強く現し、緑色の増加とともに消えるが、部分的に残る。花は大輪で肉厚・幅広の長円弁。抱え咲きだが、棒心がやや開く。花茎は緑色の地で筋の部分に紅点が入り、苞衣は淡い茶褐色で紅色の筋が入る。 特色 / しっかりした葉姿に、雄大な感じのする大輪花が咲くため愛好者も多い。主弁・副弁に淡い亀甲模様を交えるのが特色。丈夫で繁殖力が旺盛だが、いくぶん花茎の伸びが悪いのが惜しまれる。 | 日輪 Nichirin昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 黄緑色黄橙色覆輪 登録者 / 産地 / 茨城県 形態 / 葉は厚肉で葉脈が太い濃緑地。大葉性の中立ちで樋が深い。出芽は黄緑色に出て、次第に緑色を増す。花は各弁ともに厚肉で、弁の先端部分の幅が広い水仙弁。黄緑色の地に、花弁の先端から弁元にかけて、鮮明な黄橙色の深い覆輪をかける。花容は落肩だが、落ち着いた感じのする長円弁の抱え咲き。花茎は淡い黄緑色の地で太く、よく伸びる。節の部分がわずかに淡紅色に染まり、苞衣に濃い紅色の筋が入る。舌は黄白色の幅のある大捲舌で、淡い紅点を不規則に散らす。 特色 / 丈夫で繁殖力が強く、花付きも良いので人気がある。 | 日新 Nisshin昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 朱紅色 登録者 / 産地 / 新潟県 形態 / 濃緑地で、葉肉が厚く幅広。大葉性の中垂れ。葉縁にギザが多く、やや平葉で葉脈が太い。出芽は淡い緑色で、生長するにつれて濃度を増す。各弁ともに厚肉の大輪で、紅色が強くかかった朱金色の長円弁。平肩咲きであるが、棒心がやや開く。花茎は緑色に紅色を交えた赤軸で良く伸び、花梗の上部に赤筋を入れる。舌は捲舌で紅点が少ない。 特色 / 葉身の先端部がよじれ、花の発色がやや後冴え性。蕾のうちから発色は始まるが、開花後2~3日で緑色が消え、鮮明な朱紅色になる。丈夫で花付きも良い。 |
日本の花 Nihonnohana昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 登録者 / 産地 / 形態 / 特色 / | 緋牡丹 Hibotan昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 朱金色 登録者 / 産地 / 茨城県 形態 / 大葉性の中垂れで、葉幅がやや細く平葉。出芽は淡い緑色に出て、次第に濃度を増す。各弁ともに厚肉で、水仙弁の朱金色。比較的弁幅はあるが、花弁に紅筋が多く、花色にやや濁りがある。棒心は良く締まっているが、いくぶん落肩咲き。花茎は良く伸び、淡緑色の軸で、花梗の上部と節の部分にわずかに紅色を散らす。舌は白黄色で、不規則な紅点を前面に散らす。 特色 / 丈夫で花付きも良く、すんなりとした花茎と、優雅な葉姿との調和が良い。古い品種ではあるが、意外と篠数は少ない。 | 姫菊 Himegiku昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 変わり花(菊咲き) 登録者 / 産地 / 千葉県 形態 / 中葉性の中立葉。濃緑色で樋が深く、やや細葉。出芽は緑。菊咲きタイプの変わり花。緑色の細い花弁が14、5枚、車状に開き、中心部に舌化した花弁が5~6枚集まる小輪咲き。花茎は青軸でよく伸びる。 特色 / 丈夫で繁殖はよい。現在はあまり流通せず、実在すれば珍品。 |
福の光 Fukunohikari昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 朱金色 登録者 / 産地 / 富山県 形態 / 緑地で厚肉、大葉性の中垂れ。葉先はとがっていて葉繰りが良く、平葉性で葉姿はゆったりとしている。出芽は淡緑色に出て、次第に濃度を増す。各弁ともに厚肉の水仙弁。棒心は良く抱え、端正な趣がある。花茎は淡い緑色の軸で良く伸び、節の部分と花梗の上部の紅色が濃い。苞衣は茶褐色で数本の紅筋が入る。舌は黄白色で前面にU字型の紅点を鮮明に現し、腮の部分を紅色で染める。 特色 / 古い品種ではあるが、ことに花茎の伸びが抜群で、葉姿とのバランスが良く、広い人気がある。丈夫で花付きも良い。 | 万寿 Manjyu昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 赤紅色 登録者 / 産地 / 福島県 形態 / 大葉性の中垂れ。光沢のある濃緑色。厚肉・幅広で、葉縁のギザは細かく、葉脈が太く樋が深い。出芽は当初黄緑色に出て、次第に緑色を増す。各弁ともに厚肉・幅広、長円弁の平肩咲き。棒心はやや開く。花茎は淡緑色で、節の部分に紅点を散らす。苞衣は淡い白黄色に淡紅色を交え、紅色の筋と濃緑色を散らす。舌は厚肉の大捲舌で、前面にわずかに紅点を散らす。 特色 / 丈夫で繁殖力が旺盛で、花付きも良い。葉繰りが良く、雄大感のある葉姿で人気がある。弁元に緑色を残すことがあるが、本芸を示すと鮮明な赤紅色になる。 | 紫牡丹 Murasakibotan昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 変わり花(フキノトウ型) 登録者 / 産地 / 形態 / 大葉性の中垂葉。特に濃緑で厚肉。葉幅は広い。全体に超大型の葉姿。出芽は緑。花弁、がくともに暗紫色の筋が入り、たくさんの舌弁が放射状に積み重なるように外側へ開くフキノトウ型の大輪花。 特色 / 丈夫で繁殖はよいが、花つきが悪い。品種にかなりの混乱が見られるといわれ、真品の実態に明確さを欠く。 |
群胡蝶 Murekotyou昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 変わり花(段咲き) 登録者 / 産地 / 千葉県 形態 / 中葉性の立葉。緑色地で10~12枚くらいの葉繰りとなり、葉長は30~35cmにもなる。出芽は緑。3段咲きとなる変り花の小輪花。花色は緑色。初めに開くつぼみは花弁12~15枚くらいの重弁。中国春蘭の『余胡蝶』に似た姿をしており、2番目に開く花は3弁で兜をつけた受咲き。花茎は15cmくらいに伸びる。 特色 / 繁殖はよいが管理方法が変ると急に枯死することがあり、現存する数は少ない。葉姿も山出し後、2年目くらいから全部の葉が剣葉状の丸味を帯びた剛直な葉に変り、春蘭では最も細い立葉と思われる。花つきはよくなく、肥培しないと3段咲きにはならない。 | 山桜 Yamazakura昭和44年度登録 品名 / 日本春蘭(花物) 紫紅色 登録者 / 産地 / 茨城県 形態 / 光沢のある緑地で、中葉性の中垂れ。厚肉だが、やや平葉で葉姿は良い。出芽は紅色を交えて出て、生長の過程で消え、緑色になる。水仙弁の平肩咲きで、紫色をわずかに混入したような赤紅色で濁りがある。弁肉が薄いため、開花すると花弁の先端が外側に反る。花茎はよく伸び、黄緑色の軸で、節の部分に紅色を散らす。舌は白黄色の捲舌で、前面に不規則な紅点が入る。 特色 / 古い品種でありながら、篠数は少なく、現在ではあまり見かけない。ただし、性質は丈夫で花付きも良い。 |
bottom of page